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[福島県新地町]7キロ四方の小さな町、新産業を起爆剤に再生へ

福島県の最北端に位置する新地町。僅か7㎞四方ほどの面積しかないこの小さな町の存在は、全国的にあまり知られていないかもしれない。この町も震災で住民120人ほどが命を落とし、600戸を超える家屋が全半壊するなどの被害を受けた。あれから4年半が経とうとする今、2017年春に復旧予定のJR常磐線と新地駅を中心とする新しいまちづくりに挑んでいる。駅の周辺には、交流・商業施設や住宅が立ち並び、さらに隣接する相馬港で2018年に操業開始予定のLNG(液化天然ガス)基地を軸にした関連産業の誘致と雇用創出も期待されている。目指すは、様々な生活・産業機能を集積したコンパクトシティだ。

交流・商業施設や住宅、産業の共存共栄モデル

新地町役場の屋上から海岸沿いを見下ろすと、土地区画整理事業によって平均4mほどかさ上げされた広大な土地が広がっていた。ここに2017年春、津波で流失したJR常磐線と新しい「新地駅」ができる。現在、盛り土工事は最終段階を迎え、高架橋もほとんどの区間で完成し、レールの敷設作業が急ピッチで進められている。駅は震災前から町の玄関口として住民の欠かせない足となっていた。現在はバスを利用するなど不自由な移動を強いられているが、完成すれば生活は大きく変化する。

駅周辺の構想図(提供:新地町)※拠点づくりの配置イメージを図化したものであり、将来の施設計画図ではない。

駅周辺の構想図(提供:新地町)※拠点づくりの配置イメージを図化したものであり、将来の施設計画図ではない。

そして、この駅を起点にした新たなまちづくりが構想されている。まずは駅の復旧に合わせ、住民の憩いの場所となるような駅前広場と、防災拠点施設として消防・防災センターの建設に着手する。さらに、今年度中に着工予定の災害公営住宅(30戸)を皮切りに約250戸(一般住宅など含む)に及ぶ住宅整備も進める計画だ。その後も、イベントなどに使用する文化・交流施設を建設するほか、ショッピングセンターや温浴施設、フィットネスクラブなどの誘致も構想している。

さらに目玉の1つになるのが、隣接する相馬港で2018年の操業開始を予定しているLNG基地だ。国と県が主体の「イノベーション・コースト(福島・国際研究産業都市)構想」のエネルギー関連産業プロジェクトの一環で誘致が決まった。完成後はカナダからシェールガスを輸入し、東北地方を中心に各地に天然ガスを供給する。発電の際に生じる熱や二酸化炭素、冷熱などを利用したエネルギー関連産業の誘致を進めるとともに、同基地で想定している約100人を筆頭に雇用の創出にもつなげ、産業活性化の起爆剤にしたい考えだ。

新地町・都市計画課の齋藤敬一係長は、この駅周辺プロジェクトについて「様々な施設や住居、産業などの機能を集約し、共存共栄を図るモデル事業にしたい」と意気込むとともに、特にLNG基地の建設に触れて「他の自治体にはない特色とポテンシャルを秘めている。これを今後のまちづくりに活かせるか。その知恵がまさに今、試されている」と強い決意を口にする。

駅周辺は現在、急ピッチで工事が進められている(提供:新地町)

駅周辺は現在、急ピッチで工事が進められている(提供:新地町)

ワークショップで町民のアイデアを収集

新地町は、地震と津波で住民119人が亡くなり(2014年3月末時点)、全半壊した住宅も630戸に上った。ただ、福島第一原発事故による放射線量が比較的低く、防災集団移転事業や災害公営住宅の建設も順調に進んでいることなどから、一時的に避難していた住民が早い段階で帰還するケースが目立っているという。防災集団移転の7団地157戸は入居率が80%を超え(2015年5月末時点)、間もなく移転する人も含めると95%近くが入居を終える見通しとなっている。災害公営住宅も、完成済みの103戸すべてで入居が始まっている。震災前に8200人ほどいた人口は一時7700人程度にまで落ち込んだが、現在は8000人を超える水準にまで回復している(2015年9月1日時点)

今回の駅周辺プロジェクトの構想過程では、「住民のアイデアや意見を収集し、反映させることを重視した」(齋藤係長)という。そのため、町は地元のNPO法人「みらいと」と協力するなどし、昨年から今年にかけて計3回にわたって住民参加のワークショップを開催してきた。各回平均30人ほどが参加したこのワークショップでは、具体的に建設してほしい施設やサービスを募るなどし、プロジェクトに数多く反映されているという。

ただ、ワークショップについては課題も浮かび上がっている。「みらいと」理事の日下智子さんは、「そもそもワークショップを経験したことのある人はほとんどおらず、特に若い人は大勢の大人を前に意見を言いづらそうで、段々と参加する人が減ってしまった」と話す。さらに、震災直後は住民の主体的な姿勢が目立ったが、「4年半近く経って平常な生活を取り戻していく中で、徐々に『復興』よりも『日常』に意識が向かうようになっている気がする。ほっと一息つきたいタイミングなのかもしれない」と住民の心中を慮る。

自身も新地町で生まれ育った日下さんは、新地町の町民性について「もともと独特な気質がある」と指摘する。「海の幸も豊富で、比較的温暖な気候だから野菜や果物も年中収穫できる。そんな『豊かな町』だからこそ、外に向けてアピールする文化や商売っ気がなく、町民が主体的に関わろうという意識が生まれにくかった」

それでも、今回の駅前プロジェクトを成功させるためには、町民の主体的な関与が欠かせない。齋藤係長は「今後いろんな施設ができていく段階で、活用方法などについて改めて町民の意見を収集したい」とワークショップの開催に意欲を示す。一方の日下さんも、「ワークショップで出たアイデアが具体的に実現するという『成功体験』を積み上げることで、参加意識が高まるかもしれない」と糸口を探っている。そのため、「地元の食材を使った料理や、バラやりんごの入浴剤の開発など、実現しやすいものから具現化していきたい」と考えている。

ワークショップで住民の意見を収集。今後も実施していきたい考えだ。

ワークショップで住民の意見を収集。今後も実施していく計画だ。

「若者をどう呼び込むか」 震災前からの課題に挑む

駅周辺プロジェクトでは、「若者をどう呼び込むか」も町の未来を左右する重要なカギになりそうだ。新地町の若者の多くは高校卒業後に進学や就職で町を離れるが、町には若者が楽しめるような娯楽施設が一切なく、仙台(宮城)という大都市圏に近いこともありUターンで帰町するケースは少ないという。若者の定住は、震災前から続く課題だ。

だからこそ、今回のプロジェクトは若者を呼び込むための絶好の機会でもあるのだ。日下さんは、「若者が集まれるような場所にしたい。休みの日に新地で過ごせるようになることが理想」とし、そのためにも「若い人がまちづくりに関心をもってほしい」と切実に訴える。「みらいと」は今年度、地元の新地高校と駅の利用方法について話し合う計画を立てるなど、若者の思いに寄り添っていくつもりだ。新地町は全国でも有数のICT(情報通信技術)教育が盛んな地域として知られるなど、教育・子育て環境は充実している。駅周辺が若い世代にとって魅力ある姿に生まれ変われば、若者の定住も十分期待できる。

小さな町だからこそ、実現できる「まちづくり」があるのかもしれない。新地町には小学校が3校、中学校と高校がそれぞれ1校しかない。いわば町民全員が「同窓生」なのだ。住宅整備が他の自治体よりもスムーズに進んだ背景には、小さな町だからこそ行政やNPO、住民間の意思疎通や連携がとりやすかったことがある。これを駅周辺プロジェクトでも存分に活かしたい。そのファーストステップとなる常磐線の開通と駅の完成が、今から待ち遠しい。

提供元:東北復興新聞 (http://www.rise-tohoku.jp/?p=11306)


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