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“私の避難カルテ”からはじめる「地区防災計画」

被災地を単に元の状態に復旧するのではなく、復興を契機に人口減少・高齢化・産業の空洞化などの課題を解決し、他地域のモデルとなることを目指す復興庁の「新しい東北」事業。その先導モデル事例をご紹介します。

テーマ:安心・安全な地域づくり
地域:岩手県大槌町花輪田地区
取り組み主体:京都大学防災研究所、岩崎敬環境計画事務所、新潟大学災害・復興科学研究所、株式会社博報堂
事業名:コンパクトな地域づくりを目指した地区防災計画立案技術の開発
背景:
町内で最も低い宅地から、TP20.0m(※)まで、確実に逃げなくてはならない!花輪田地区で住宅が集中しているゾーンはTP2.3m~4.0mの範囲にあり、ほぼ全域が3.11震災時に浸水した。隣接地区の盛り土が完了すると町内で最も低い宅地となり、津波と河川氾濫のリスクを抱えることになる。安全な山裾まで直線距離で250mであっても、実際の避難距離は500mに達する家もあり、特に高齢者にとってはリスクが高い。皆が避難しやすい緊急避難場所とそこまでのルートを皆で考え、整備するプログラムづくりが急務だった。
(※)TPとは、日本水準原点の東京湾平均海面(Tokyo Peil)の略。

震災により全人口の1割を超す1200名以上の町民が犠牲となった岩手県大槌町。この町で地元の体験と専門家の知見を共有しながら、住民主体で防災計画を策定・更新するためのノウハウ開発が行われている。

防災計画は「持続のための プログラム」

ワークショップを重ねるごとに、住民のや る気が増していった

ワークショップを重ねるごとに、住民のや る気が増していった

「安全とは、持続を妨げる要因が回避されている状態を言います」。岩手県大槌町・花輪田地区において地区住民とともに防災計画づくりを進める岩崎敬さんは、説明を始めた。持続を妨げる要因は3つ。地震や津波といった「外的破壊」、水やエネルギー、情報といった町を維持するための「フロー」の停止、 そして、最も重要なものが、一度被害を受けた地域が回復するための知恵や組織力などの「知的創造力」の欠落。「地域の人々がこれら3要因を継続的に回避する為のプログラムをつくること。それが防災計画の意味なのです」。 災害は常に想定外の事態として起こるもの。計画を一度つくるだけではなく、世代を超えて引き継げるよう継続的な更新を行い、また災害時の活動を担う人材育成も行う「プログラム」として地域に根付かせる必要がある。それを岩崎さんらは、現状認識に始まり、リスク分析、対策・戦略の策定、そして最後に防災計画の作成へとステップを踏んで行うワークショップを通じて実現している。ワークショップにおける鍵は「知識と体験の融合」と「公開性」の2つにあると言う。「専門家が得意とする自然科学など事実に関する情報や知識と、住民の皆さんが持つ現場の体験はしばしば食い違いを見せます。双方を戦わせることなく共有・尊重しながら、地区住民の誰でも参加できる公開の場で意見交換を進めることが、主体意識を高めるために重要なポイントとなります」。岩崎さんは話す。

住民巻き込む ワークショップ術

ワークショップと平行 して行った現地調査で避難路を体感した

ワークショップと平行して行った現地調査で避難路を体感した

防災計画立案のワークショップにおいて重要な要素となっているのは、リスクリレーション分析だ。大災害後の生存のためには、まず死なない事。そして生き延びる、立ち上がる、次のリスクに備える。こうした4段階を経ることになる。今回の震災の経験から見いだされた、それぞれの段階におけるリスクを紙に書き出し、様々なリスクや要素の相互の関係性をひも解いていく。まさに住民の経験に、専門家の知見をかけあわせる形の分析だ。例えば自動車は「寒さ」「暗さ(不安)」「シェルター」「食料確保の足」といったリスクに対して有効な延命支援機能だが、燃料がないと動かない。こうした分析から、燃料確保の重要性や、「自動車があればできること」を確認ができ、住民の主体的な行動意識につながっていくという訳だ。そしてワークショップのもう1つのハイライトは、「避難カルテ」の作成だ。中学生以上の地区住民ひとり一人に配られるカルテには、住所氏名年齢といった基本情報に加え、3.11時の状況詳細や、自分で歩ける・車椅子を使うといった移動能力の記入欄、避難ルートを書き込むための詳細地図、さらに家の前の道路写真を貼るスペースもある。

一時避難所や避難補 助タワーの効果の確認も

一時避難所や避難補 助タワーの効果の確認も

このカルテの重要な点は、「地区の傾向ではなく、個人の状況を自ら把握すること」だと言う。花輪田地区では地震発生後38分以内に避難が完了しなくてはならない。それぞれが38分の間に何メートル移動する必要があるのか、その避難路の標高差はどれだけあるのかが見えてくる。そしてカルテが地区で共有されることで、家族や友人の状況、避難介助が必要な人はどこにどういう状況にいるのか、避難車両の集中する点がどこにあるのかなどといった、地区の課題が浮き彫りになる。個人とその身の回りにフォーカスすることで、災害に限らず高齢化や個別事由を含めた包括的な分析が可能になるのだ。課題の特定に続いては、具対策の立案が行われる。避難困難地区や困難者が見えることで、緊急避難場所の設置や避難動線確保、避難補助タワーの効果確認といった具体的な対策が見えてくる。避難困難者のためには、避難場所になりうる住宅地の解放や移動介助といったコミュニティの力を使った援助対策も具体化する。またワークショップと平行して、自治会幹部とともに新たな避難場所の現地調査も行った。こうした施策によって、より具体的な形での防災計画ができあがっていく。

汎用化へ向けた施策

こうした防災計画づくりが、ワークショップという身体感をもった手法で、かつ公開性を持った形で行われること。そしてそのプロセスの見える化がされることにより、地区コミュニティ全体としての防災意識・ノウハウは高まっていく。今後は、花輪田地区で確立されたリスク分析から対策・戦略策定、計画立案までの基本プロセスをベースに、フィールドワークやワークショップが更新できるようなデータベース化を行う。また他の地域のさまざまな既存事例のアーカイブや、このプロセスをまわせる人材を育成していきながら、ここで開発したノウハウが他地域でも活用できるよう、汎用化を進めていく予定だ。

記事提供:復興庁「新しい東北」

提供元:東北復興新聞 (http://www.rise-tohoku.jp/?p=11693)


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