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子どもたちの憧れと自己肯定感を育む教育

首都圏などで高校生のキャリア学習プログラム「カタリ場」を運営する認定NPO法人カタリバ(以下、「カタリバ」」は、「子どもたちが安心して勉強できる場所を」と、2011年7月に宮城県女川町、2011年12月に岩手県大槌町に放課後学校「コラボ・スクール」を開設した。開校から4年を経たコラボ・スクールからは新たなプロジェクトも生まれ、さらに東北での知見を全国へ広げる動きも出ている。カタリバの取り組む「教育を通じた復興」、さらにその先に目指すものについて、大槌臨学舎の統括ディレクター菅野祐太さんと、設立当初から事務局を務める川井綾さんに聞いた。

コミュニケーションで育まれる「憧れ」と「自己肯定感」

菅野さん(右)と川井さん。大槌臨学舎の校舎内で。

菅野さん(右)と川井さん。大槌臨学舎の校舎内で。

「2011年12月の開校初日には、当時の中学3年生の半分以上にあたる85人が集まりました。中学3年生の子たちが『自分は大人になったら大槌の復興に携わりたい』と言っているのが印象的でした」と川井さんは振り返る。
カタリバがコラボ・スクールを設立するにあたり重視したのは、できる限り地域の子どもたち全員が受けられるサービス、機会の平等を担保した学ぶ場でありたいということだった。そのため、設立の際には必ず教育委員会経由で学校でチラシを配布してもらって機会を平等にした上で来たい子に来てもらうようにしている。
また、コラボ・スクールは地域に開かれた存在であることを重視。例えば大槌臨学舎では、授業中はブラインドを開けて、近くの道路を通行する車から様子が見えるようにしている。また、町内で個人塾を経営している先生たちにも参画してもらっている。運営するカタリバだけでなく地域ぐるみで子どもたちを見守る「“コラボ”スクール」を目指した。

大槌臨学舎は、中高生を対象に放課後の学習場所を提供している。自習だけでなくスタッフやボランティアによる授業も行うが、大槌町にはもともと塾などが少なかったこともあり、当初は「学校以外の学びの場」としてのコラボ・スクールの活動が理解されにくかった。大槌臨学舎のスタッフが町の地域支援コーディネーターの役職に就いたことをきっかけに学校や行政との連携が深まり、現在では学校の先生が大槌臨学舎を訪問し、子どもたちに関する情報交換をしたり、カタリバのスタッフが学校での学習支援をサポートなどの協働関係を築いている。

コラボ・スクールは「放課後学校」と銘打っているが、学力向上だけに重きを置いているわけでない。町外から来たスタッフやボランティアの大学生がいきいきと活動する姿に接することで、「こういう人になりたい」と感じられる、目標を持つことをかっこいいと思える、など、多様な大人とのコミュニンケーションによるポジティブな影響も大切な価値だと考えている。
保護者を対象としたアンケートでも、大槌臨学舎で勉強を見てもらえることに加え、様々なバックグラウンドを持つ大人とのコミュニケーションは高い評価を得ている。また、セーフティネットとしての居場所の成果も出始めている。不登校で学校には通えないが大槌臨学舎には通っている生徒もおり、徐々に学校に戻るケースも出てきた。
「憧れ」を日常的に感じられる場所があること、そこに行けば誰かに会える、自分の居場所があるということが、コラボ・スクールの最大の価値といえる。

カタリバが「憧れ」とともに子どもたちに伝えたいことに「自己肯定感」がある。
コラボ・スクールでは、例えばプリントをできるようになったら校内に掲示されたシートにシールを貼るなどの工夫をし、「今日はこれができるようになった」と、小さなことからでも子どもたちが自己肯定感を持てるよう、運営上の工夫を凝らしている。

このような活動を通じ、地域の子どもたちにも少しずつ変化が見られるようになった。大槌臨学舎が最初に受け入れた中学3年生は、2015年春に高校を卒業した。そのうち何人かはコラボ・スクールで多様な大人や大学生と関わることによって進学という選択肢を見つけ、大学に進学したという。新たな価値観を子どもたちに示せたこと、それを実現するサポートができたことは、成果といえるだろう。

コラボ・スクールを起点に広がる活動

コラボ・スクールを拠点に、新たなプロジェクトも生まれた。「マイプロジェクト」は、高校生が自分の住む地域の課題を解決するプログラムだ。身近にある地域課題を教育機会と捉え、課題の解決を通じたリーダー育成を行っている。実際に立ち上がったマイプロジェクトの一つには、大槌町の高校生が震災の記憶を風化させないために4年ごとに立て替える木碑を町内に設置する「3.11復興木碑設置プロジェクト」などがある。
マイプロジェクトは高校生が自分自身の力でやってみるのをサポートするのが特徴で、スタッフは伴走者として、協力者を紹介したり、プロジェクトが進むようアドバイス等をする。高校生にとっては、自分ができることが少しずつ増えていく過程を経験でき、周りの大人に応援されたり感謝されることで、自己肯定につながる。こうした手厚いのサポートのある活動を通じて、中学生のときにはなかなか学校に行けず、人と話すことも苦手だったが、マイプロジェクトを通じて大勢の人の前でプレゼンができるようなったという高校生もいる。

大槌臨学舎は、小中一貫校「大槌学園」の近くに立地する

大槌臨学舎は、小中一貫校「大槌学園」の近くに立地する

大槌町では、小中一貫校「大槌学園」と「吉里吉里学園」が2015年4月に開校した。「大槌学園」は、現在は仮設校舎で運営しているが、2016年秋には新校舎が完成する。こうした町内の教育環境の変化を踏まえて、大槌臨学舎の今後のあり方を教育委員会とともに検討している。具体的な形はまだ見えていないが、菅野さんは「復興から地方創生へというようにテーマは変わるかもしれませんが、『ここに行けば誰かがいる』という場所があることは必要なんじゃないかと思っています」と、「場」の存在にこだわる意向だ。
見据えているのは30年後の大槌だ。教育委員会とは、「教育というのは、子どもが親になったときに真価が問われる。今の子どもたちが学ぶことを面白いと感じる大人になり、自分の子どもに、勉強することは面白いと伝えるようになったとき、地域が変わる」という話もしている。

いま、カタリバは、東北での取り組みの知見を活かした活動を、全国各地に広げている。2013年からは、全国の高校生に「マイプロジェクト」に挑戦する機会の提供を始めた。「何かしたい」と考えている高校生を対象とした合宿「高校生カイギ」、マイプロジェクトを実行した高校生への表彰イベント「MY PROJECT AWARD」などを開催している。東北の子どもたちにしているのと同様に、多様な大人や、同じように悩みながら活動している同世代との接点を提供し、自ら成長する機会を作り出すことが特徴だ。
2015年には東京都文京区から複合公共施設内に開設された中高生の秘密基地「b-lab」の運営を受託した。コラボ・スクールと同じく「放課後の居場所」を都心の子どもたちに提供する取り組みだ。運動スペースや音楽スタジオも備えた施設では、学生インターンや社会人・学生のボランティアらが「何かやりたい」という中高生らと関わり、新しいきっかけを与えている。
さらに2015年から島根県雲南市にもキャリア教育推進施設「おんせんキャンパス」を開設。不登校支援と社会教育事業に取り組んでいる。

国立青少年教育進行機構が2014年に行った調査では、「自分はダメな人間だと思う」と答えた日本の高校生の割合は7割に上り、中国、米国、韓国を大きく上回った。
子どもが自己肯定感を持ちにくいという日本の現状において「小さなことでも、できるようになったことを認める」というカタリバの取り組みは、何らかのヒントを示しているのではないだろうか。
自己肯定感、憧れの存在、多様な大人とのコミュニケーション、居場所・・・子どもたちが育つのに必要ではあるが、従来の教育ではカバーしきれなくなっているこうした役割を担う存在として、東北発のカタリバの取り組みの広がりに期待したい。

提供元:東北復興新聞 (http://www.rise-tohoku.jp/?p=12378)


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