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ついにオープンのMORIUMIUS徹底解剖② 5000人を動員した「まきこみ力」とは?

雄勝の森と海に抱かれた複合体験施設MORIUMIUS(モリウミアス)がオープンするまでの2年3カ月には、約5000人もの人がプロジェクトにかかわった。その内訳は、ボランティア、有給・無給のインターン、企業、大学教授、国内外の学生などと実に幅広い。

資金がないという状況を逆手にとった、それぞれへのメリットを追求して相手を巻き込むプログラムのデザイン、徹底して体験を促す施設のあり方など、MORIUMIUSはいかにして外部人材を巻き込み、マネジメントしてきたのだろうか。その全体像に迫る。

ターゲットに合わせた、かかわり方のデザイン

現場を取り仕切るのフィールドディレクターの油井さん。TV局、子どもの職業体験施設キッザニア運営会社幹部を経て現職

現場を取り仕切るのフィールドディレクターの油井さん。TV局、子どもの職業体験施設キッザニア運営会社幹部を経て現職

MORIUMIUSとして生まれ変わった旧桑浜小学校の校舎は築90年を超える建物だ。2002年の閉校後は、校舎の保存をと卒業生の親族が石巻市から買取り、維持してきた。公益社団法人sweet treat 311の理事であり、MORIUMIUSフィールドディレクターを務める油井元太郎さんは、震災後に炊き出しで雄勝町に入り、地元の人たちと交流を深めるなかで旧桑浜小学校の存在を知る。震災後の人口流出が約8割にものぼる雄勝地区のこの場所を子どもたちの学びと交流の拠点にしてはと、校舎の修復を提案。建物は残せる限り残すことを約束し、sweet treat 311が校舎を購入するかたちで、2013年4月にプロジェクトはスタートした。

しかしいざ建物に手をつけてみると、震災の被害もあって裏山の土砂が校舎内に流れ込んで老朽化が進み、柱や床も湿気のため腐り始めていたという。「それはちょっと誤算というか、予想外だったこと。でも逆に言うと、人が集まりやすい状況だと思った」と油井さん。「最初から資金があったわけではないので、自分たちでできることは全部やろうと。だからそれだけボランティアに働きかけて来てもらった」。多い日だと1日に200人。最終的には約2年間で5000人ほどが集まった。「プロセスにかかわると、やればやるほど自分たちの学校だという思いが高まる。お金がなくってよかったなと思う」と油井さんは白い歯を見せる。

1年間クラウドファンディングを行うなかでは、東京で雄勝食材を食べながら現地のことを学ぶという交流会を企画してきた。結果的に目標額を上回る資金集めに成功するとともに、サポーター数は1000人以上に。やがてボランティアとして雄勝を訪れた人たちは、さらに友人を連れて再び訪れたり、子どもを連れてやって来たり。sweet treat 311が拠点とする「おがつアカデミー」に滞在しながらの校舎改修ツアーや子ども向けキャンプといった短期滞在から、地域住民との交流、漁場や森のフィールドワークを通じて、ひとり一人と地域との関係性が濃密に構築されていくことに。

だが、ボランティアだけではない。人材・資金面からMORIUMIUSをサポートする企業・団体数は現在27。1週間からの研修を行ったり、なかには社員を派遣している企業も。ロート製薬からは2人、ベネッセからは1人が出向しており、すでにロート製薬の1人は4年目に入るという。「ここに滞在した人が会社内でも話を広めてくれたり、社員さんが家族を連れてまた来てくれたり。あとはサポート企業同士が交流やつながりを深める場としても、機能している」と油井さん。

スタッフの経歴もさまざま。本間さん(右)は星野リゾートからの転職、安田さんは(左)学生時代から雄勝に関わり新卒でMORIUMIUSに就職した

スタッフの経歴も様々。本間さん(右)は星野リゾートからの転職、安田さんは(左)学生時代から雄勝に関わり新卒でMORIUMIUSに就職した

また、子どもや地元の人たち、ボランディア、インターンなど多種多様な人が常に集う環境から、そこに同居する企業側には「関わらせてもらう」といった意識やスタンスが醸成され、支援したからと企業の意向でプロジェクトの方向性がブレるといった事態も自然と起こりづらくなる。「今も有給スタッフよりも無給スタッフの方が多い状況。こういう人たちの力なしにやっていくことはあり得ない」と油井さんは力を込める。フロントで話を伺った女性スタッフも、転職期間中だったためボランティアで来たと話し、「最近はお風呂もようやく薪で炊けるようになりうれしい」と笑顔が実に清々しい。

インターンの国際色が豊かであることも特徴だ。海外の高校生が夏期休暇中にサマーインターンで参加したり、外務省の語学指導等を行う外国青年招致事業「JETプログラム」を通じて1週間で入替わりながらあらゆる職種の外国人がやって来たり。海外からの誘致については、油井さんのもつ人脈を中心にアプローチ。施設の設計においては、東京大学教授の隈研吾さんや東京都市大学特認教授の手塚貴晴さんを講師に迎えるとともに、スタンフォード大学やハーバード大学などの学生を誘致したデザインワークショップを企画。そのように、個々の関係性がMORIUMIUSに集約され、波及効果が最大限にデザインされていることも、民間プロジェクトならではであり、注目すべき点だ。

スタッフと子どもたちが一緒に宅を囲む食卓の様子はさながら大家族。多様なバックグラウンドの大人たちとのふれ合いが子どもたちに与える影響は大きい。

「元気な地域って人を連れて来ているから自然と盛り上がっているように見えるけれど、実際には現場の地道な努力が必ずある」と油井さんは言う。「それは例えば参加しやすい仕掛けの作り方。ひとりでも、友達とでも、家族とでも楽しめるという、複数のレイヤーを用意することが大事」。そして5000人という数字を叩き出すことの土台にあるのは、開拓された多様なルートの前提にあるface to faceの関係性という、非常にシンプルなものなのだ。

ビジョンは語らず、からだで感じてもらう

シンプルという点では、ここMORIUMIUSで体験できるメニューが、自然とともにある昔の暮らしという、明確な軸をもっていることについても同じだ。その仕組みづくりにおいてはハード面でも、自然の循環を意識した「パーマカルチャー」の要素を取り入れながら場づくりがされている。例えば、校庭のビオトープと水田に通じるよう設置されたバイオジオフィルターには、ワークショップ参加者で砕いた屋根瓦が敷き詰められており、水路を生活排水が通るたびにそこに繁殖している微生物により水が浄化される仕組みとなっている。校舎や立地といった物理的な要素を突き詰め、自然の循環や雄勝の土地に根付く自然文化を、さまざまなレベルで体感して学べるという立体的なデザインがなされていることも見逃せない。

しかし油井さんはそれだけ綿密なコンセプトがひとつひとつありながらも、それをビジョンとしては語らない。「サステナブル」や「循環型」の生活を強く押し出すこともしない。「いろんなことを述べ立てるよりは、単純に楽しい方がいい。その方がモチベーションが圧倒的に高い。頭よりからだで学ぶこと」と軽やかだ。「ガウディの教会建築、サグラダファミリアのように、永遠に完成せず、ずっと続けていくことが、人を巻き込むきっかけになる。僕ら自身も互いに学びながら、一緒につくり続けていきたい」。

MORIUMIUSは、オープンしてなお未完成の立場から、雄勝という土地の魅力を再発見し続け、そのことによって交流人口を増やし、MORIUMIUSという地域資源そのものを自ら磨き続けてゆく、壮大なモデルとも呼べるのではないだろうか。今後この巨大な人の輪が、さらに新たな展開を見せていくことを、期待をもって注視したい。

文/井上瑶子

提供元:東北復興新聞 (http://www.rise-tohoku.jp/?p=11079)


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